感覚過敏と感覚鈍麻について 大人の発達障害の特徴
大人の発達障害の特徴 感覚過敏と感覚鈍麻
寒がる同僚の言葉に自身の感覚鈍麻を再認識
発達障害の人には感覚過敏や感覚鈍麻という特徴を持つ人が多くいます。僕は発達障害と診断されるまで、この点に気づいていなかったのですが、今は「この感覚や症状は発達障害のせいなんだな」と感じることが多くあります。
先日、スーツ姿で同僚数名と戸外にいたのですが、みんなが口をそろえて「寒い寒い」と言い出したのです。確かに夕方日が落ちてきて風も強かったので少し肌寒いかな、とは感じたのですが、震える同僚を見て、この人たちは本当に寒いのかなと不思議な気持ちでした。実は、朝シャワーを浴びた後に暑く感じたので、インナーには夏用のエアリズムを着ていました。逆に同僚はヒートテックを着用。本来は僕が真っ先に寒がらなくてはいけないような気もしたのですが、これが発達障害の不思議なところです。寒さを感じにくいので夏に弱いかと言うと、実は夏の暑さにも気づきにくかったりします。とは言っても、体が暑さに強いわけではなく、あくまでも気づいていないだけなので普通の人よりも温度管理には注意が必要です。
感覚過敏や感覚鈍麻の例
発達障害の場合、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚といった五感が過敏だったり、逆に感じにくかったりする場合があります。
聴覚過敏
僕の場合は、聴覚が過敏なため外に出るときは必ずイヤホンを付けて外部の音を極力シャットダウンするようにしています。職場でも同様です。皆さんはカクテルパーティー効果という言葉をご存じですか?大勢の人が話しているような場所でも、人間は音をうまく処理して自分に必要な音を選択して聞き取ることができるという現象です。
このカクテルパーティー効果を僕は体験したことがありません。話している相手の声は周りの話し声やその他の雑音と一緒に混じって入ってきます。そのため、子供の頃は集団で受ける聴覚検査では音が聞き取れず「難聴の疑いあり」と診断されていました。何度も聞き返すと嫌な顔をされるので、大事なこと以外は聞き取れなくても分かったふりをするようになりました。なぜ、皆はうるさい場所でも会話ができるのだろう。その答えが分かったのは40近くになってからでした。
聴覚過敏の場合、脳が音を処理するのに疲れ、通常の人より2~3倍疲れやすいと言われることもあります。音を遮断する生活を始めてから、若い時と比べても疲れにくくなりました。
触覚過敏
他の人が着られる服を着ることができない。そんな悩みを持つ人もいます。僕はタートルネックを着たり、ワイシャツのボタンを上まで止めるとくすぐったかったり、首を絞められているようで長時間着ることができません。就職活動の面接では、会社のそばでネクタイをし、事情を説明して面接の際にはボタンを外させてもらっていました。それから、毛糸で編んだセーターもチクチクして無理だったのを覚えています。今思えば自分の感覚過敏のせいだったんだなと分かるのですが、それでも、あんなチクチクするセーターを皆はどうして平気で着られるのか、今でも不思議に思っています。
味覚過敏
若い時は特に、味覚が過敏すぎるケースが多くみられるようです。僕の場合も食べられない食材が沢山ありました。うちは厳しい親だったので叩かれ、泣きがながら食べさせられた思い出があります。ただ唯一、レバーだけはどんなに頑張っても嘔吐してしまったので、そのうち免除されました。今でもレバーは食べることができません。味覚過敏があると外食する際の店の選択肢が狭まるので、なんでも食べられる人は苦労がなくて良いなと羨ましく思います。
嗅覚過敏
子供の頃から、臭いにも非常に敏感でした。今でも香水やたばこ、ファンデーションの匂いなど、種類にもよりますが頭痛や吐き気をもよおすことがあります。職場はフリーアドレスなので、ちょっとしたロシアンルーレット状態です。以前は固定席だったので、それらしい理由をつけて席を変えてもらっていたのですが、働き方改革のちょっとした弊害ですね。
視覚過敏
蛍光灯の明かりが辛いなんていう人もいるようです。僕の場合は、視覚過敏だけは五感の中で唯一実感していない症状です。
おわりに
今回は、五感に関係した発達障害の症状を紹介しましたがいかがだったでしょうか。僕が子供の頃は発達障害なんて認識は世間になく、疲れたと言えば我慢しろと怒られ、まずいと言えば文句を言うなと叩かれたものです。だから、本当に辛かったのを今でもはっきり覚えています。もし、お子さんや大切な人が同じような訴えをしたなら、頭ごなしに怒らないであげてほしいなと思います。
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